PowerShellでは、Excelファイル(エクセル 拡張子xls、xlsx、xlsm等)を操作することもできます。
Excelファイルは、Officeソフトの中でも特に使用頻度が高く、業務で毎日使用しているという人も少なくないことと思います。
そんな毎日使用するものだからこそ、定型業務をPowerShellで自動化していきましょう!!
Excel操作 4回目の今回は「PowerShellでExcelを操作する - セルの操作編2 -」です。
前回の投稿では、セルC5やセルM8といった一箇所のセルに対して、文字列を入力したり、逆に取得する方法について記述しました。 参照:【PowerShellでExcelを操作する - セルの操作編 -】
今回はその続きとして、指定範囲から文字列を取得したり、指定範囲をコピー&貼り付けする方法について書いていきます。
<前準備>
・Excel操作の過去記事をお読みいただき、C:\TESTフォルダ内に、AAA.xlsxというExcelファイルを作成していただくと、よりわかりやすいかと思います。
また、今回は事前にB2:C5に、画像のような文字列を入力しておいてください。
⇒ 過去の記事はこちら 【PowerShellでExcelを操作する - 基礎編 -】
それでは早速、例文を記述していきます。
---------ここから-------------------------------------------------------------------------------------
# Excel操作 セルの操作編2
# Excelを操作する為の宣言
$excel = New-Object -ComObject Excel.Application
# 可視化する
$excel.Visible = $false
# 既存のExcelファイルを開く
$book = $excel.Workbooks.Open("C:\TEST\AAA.xlsx")
# ワークシートを番号で指定し、接続する
$sheet = $excel.Worksheets.Item(1)
# 範囲B2:B5の内容をテキストとして取得し、配列として変数に格納
$text = @($sheet.Range("B2:B5")).text
# メッセージボックスで変数textの内容を表示
Add-Type -Assembly System.Windows.Forms
[System.Windows.Forms.MessageBox]::Show("科目は $text です。", "結果")
# 範囲B2:C5をコピーし、セルE2に貼り付ける
$sheet.Range("B2:C5").copy($sheet.Range("E2"))
# 上書き保存
$book.Save()
# Excelを閉じる
$excel.Quit()
# プロセスを解放する
$excel = $null
[GC]::Collect()
---------ここまで-------------------------------------------------------------------------------------
上記内容をコピーし、PowerShell ISEに貼り付けて、実行してみてください。
実行直後、メッセージボックスが表示されます。
処理完了後、C:\TESTフォルダ内のAAA.xlsxを開くと、画像のように入力されると思います。
それでは1行ずつ解説していきます。
(コマンドが記述してある部分だけを数えて1行目、2行目…としています)
<解説>
$excel.Visible = $true
$book = $excel.Workbooks.Open("C:\TEST\AAA.xlsx")
$sheet = $excel.Worksheets.Item(1)
◆5行目
$text = @($sheet.Range("B2:B5")).textそれでは1行ずつ解説していきます。
(コマンドが記述してある部分だけを数えて1行目、2行目…としています)
<解説>
◆1行目~4行目
$excel = New-Object -ComObject Excel.Application$excel.Visible = $true
$book = $excel.Workbooks.Open("C:\TEST\AAA.xlsx")
$sheet = $excel.Worksheets.Item(1)
この4行については割愛します。
内容がわからない場合は【PowerShellでExcelを操作する - 基礎編 -】をご覧ください。◆5行目
5行目では、セルB2からB5の範囲の値を文字列として取得し、変数textに格納しています。
◆6行目・7行目
Add-Type -Assembly System.Windows.Forms
[System.Windows.Forms.MessageBox]::Show("科目は $text です。", "結果")
6行目・7行目では、5行目で取得し、変数に格納した文字列をメッセージボックスで表示させています。
※メッセージボックスの使用については【PowerShellでMessageBoxを使用する】をご覧ください。
◆8行目
$sheet.Range("B2:C5").copy( $sheet.Range("E2") )
8行目では、セルB2からC5の範囲をコピーし、セルE2に貼り付けています。
ここでE2セルは貼り付け位置の起点となります。
◆9行目~12行目
$book.Save()
$excel.Quit()
$excel = $null[GC]::Collect()
この4行についても同様に割愛させていただきます。
内容がわからない場合は【PowerShellでExcelを操作する - 基礎編 -】をご覧ください。
解説は以上となります。
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ここで、参考までに「列ごとコピーする方法」と「行ごとコピーする方法」をご紹介します。
# A列を列ごとコピーし、C列に貼り付ける
$sheet.Range("A1").EntireColumn.Copy($sheet.Range("C1"))
# 1行目を行ごとコピーし、5行目に貼り付ける
$sheet.Range("A1").EntireRow.Copy($sheet.Range("A5"))
上記例文の8行目と基本的な構文は同じですが、copyメソッドの前に、「列ごと(=EntireColumn)」と「行ごと(=EntireRow)」が追加されています。
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Excelの操作において、コピー&ペーストは日常茶飯事です。
本稿を参考に、皆様の作業効率が向上することをお祈りいたします。
次回は「PowerShellでExcelを操作する - 行・列の操作編 -」を投稿致します。
おおまかな内容は次の通りです。
・行の挿入
・列の挿入
・使用行数の取得
・使用列数の取得
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